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傾斜計算の簡単なやり方。負担割合で考える会計術【幹事向け】

飲み会の会計で使われる「傾斜計算」について解説。基本の割り勘額に対する負担割合(%)を使った簡単な計算方法や、役職別の負担率の目安、事前の進め方などを紹介します。

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傾斜計算とは

傾斜計算とは、飲み会などの会計において、参加者の役職や立場に応じて金額に差をつける法です。
以下のような効果があります。

  • 若手社員の金銭的負担の軽減
    一般的に給与水準が低い若手社員にとって、役職者と同じ金額を支払うことは大きな負担になり得ます。

  • 上司の立場を尊重する
    上司が多めに支払うことで部下を労う持ちや、その場をまとめる立場を示す意味合いを持ち、信頼関係構築に繋がります。

  • 送歓迎会など、会の目的を明確にする
    特定の主役をもてなす会において、主役が全額を支払うのは会の趣旨に合いません。
    主役の負担を無料または減額することで、「歓迎」や「感謝」の意を明確に示せます。

傾斜計算の考え方:負担割合(%)で設定

傾斜計算を行う際は、まず「仮の割り勘額(基本料金)」を算出し、それに対して「各役職が何%を負担するか」いう負担割合を設定する法がシンプルです。

役職・立場別の負担割合の目安

負担割合は、会の趣旨やメンバー構成によって変動します。以下は、一般的な目安です。

役職・立場負担割合の目安補足
送歓迎の主役 / 新人0%~50%主役は無料、新人は半額などが一般的。
若手社員50%~100%基本料金から少し割り引くか、同額とするケースが多い。
中堅社員80%~120%基本料金のほか、端数調整分などを負担することも。
管理職 / 部長層100%~200%全体のバランスを見て、多めに負担する立場。

負担割合を使った傾斜計算の3ステップ

具体的な計算手順を3つのステップで解説します。

【設定例】

  • 合計金額: 30,000円
  • 参加者: 6名(部長1名、中堅2名、若手3名)

ステップ1:1人あたりの「基本料金」を算出する

まず、均等割り勘の場合の金額を算出します。これが計算の基準値となります。

30,000円 ÷ 6人 = 5,000円
→ 基本料金は5,000円

ステップ2:各役職の支払額を「仮計算」する

ステップ1の基本料金に、設定した負担割合を掛けて、各役職の支払額を仮計算します。

  • 負担割合の設定(例):

    • 長: 150%
    • 中堅: 100%
    • 若手: 80%
  • 支払額の仮計算:

    • 長: 5,000円 × 150% = 7,500円
    • 中堅: 5,000円 × 100% = 5,000円
    • 若手: 5,000円 × 80% = 4,000円

ステップ3:合計金額が合うように「最終調整」する

仮計算した金額の合計が、実際の合計金額と合うか確認します。

(部長7,500円×1)+(中堅5,000円×2)+(若手4,000円×3)= 29,500円

合計30,000円に対し500円不足しているため、この差額を最も役職が上の(今回は長)の支払額に加算して調整します。

  • 最終的な支払額:
    • 長: 7,500円 + 500円 = 8,000円
    • 中堅: 5,000円
    • 若手: 4,000円

これで、合計金額が一致する傾斜配分が確定しました。

円滑に進めるためのポイント:事前の相談

傾斜計算をスムーズに行うためには、幹事が独断で負担割合を決めず、事前に上司や先輩へ相談することが重要です。

上司や先輩への相談事項

負担割合の案が決まったら、その会で最も役職が上の人や、慣習に詳しい先輩に確認を取りましょう。

相談の例:
「今回の傾斜ですが、長8,000円、中堅5,000円、若手80%の4,000円で考えていますが、いかがでしょうか?」
「部署の飲み会で、従来からの負担割合の目安などがあれば教えていただけますか?」

事前に合意形成をしておくことで、会計時に異論が出ることなく、円滑に進行できます。

まとめ

傾斜計算は、参加者への配慮を示すための有効な会計方法です。

  1. 「負担割合(%)」基準にすると計算が分かりやすい。
  2. 計算手順は「基本料金の算出 → 仮計算 → 最終調整」3ステップ。
  3. 最も重要なのは、割合案ができた段階での「上司・先輩への事前相談」

この手順とポイントを押さえることで、誰でも正確でスムーズな会計を行うことができます。